60代前半の「在職老齢年金制度」にご用心!

60歳で定年を迎え、65歳から年金が支給されます。この5年間のブランクを埋めるために、定年後も働く方が多いでしょう。しかし定年後もガツガツ働き、収入も現役の時と同じぐらい稼いでしまうと、肝心の年金が減額される可能性があります。

高齢者の働く意欲を奪っている悪しき制度、「在職老齢年金制度」を紹介していきましょう。

サラリーマンだった方は要注意!

年金は基本的に3種類あります。国民年金、厚生年金、そして共済年金です。在職老齢年金制度は、一言で言えば「年金が減額される」という制度なのですが、減額されるのは厚生年金が対象となります。したがってサラリーマン人生を送ってきた方は、特に注意をして勉強してください。

では、どのような条件になれば年金が減額されるのか?以下を参考にしてください。

「(働いてもらえる)月収と、月あたりの年金が28万円を超えた場合、超えた分の半分が減額される」

たとえば、61歳で年収が240万円の方がいるとします。月あたりの月収は「20万円」です。そして、厚生年金も同額の240万円であり、月あたり「20万円」だとしましょう。この合計は「40万円」です。そして上記の通り、「28万円を超えた分の半分が減額」ですので、「(40万円-28万円)÷2=6万円」となり、厚生年金が毎月6万円も減額される計算になります。

これでは働く意欲も失われてしまいます。長くサラリーマンとして働いてきて、定年後も働いたために年金が減額されるなど、やはり避けたい事態でしょう。したがって、65歳までは働き方を調整して、「月収と月あたりの年金の合計が28万円を超えないようにする」という工夫が必要です。

では、どう工夫すれば良いのでしょうか?年金が240万円(月20万円)の場合、リミットまでたった「8万円」しかありません。したがって「月8万円の収入を超えない範囲で働く」ということが求められます。とても生活できる金額ではありませんが、「退職金から生活費を工面する」「少し減額されても、生活が出来るギリギリの収入は確保する」などが選択肢となります。

65歳以上は安心して働ける

そもそも上限が28万円という少ない金額だからこそ、60歳~65歳までの期間、働く意欲が失せるわけです。しかし65歳を超えれば安心しても良いでしょう。65歳からは年金も支給されますし、減額条件の上限も「28万円→48万円」となるため、比較的、安心して働くことが出来ます。

働きたい!でも減額は嫌だ!という人のために…

「60歳を超えても働きたい!しかし年金が減額されるのは嫌だ…」という方も多いでしょう。その場合、デメリットもありますが以下のような方法で減額を回避することが可能です。

■方法その1「厚生年金に加入しない」
在職老齢年金制度は「厚生年金」をターゲットにしています。したがって厚生年金に加入しなければ、減額を気にせず働くことが可能です。しかし加入しないデメリットもあるので、その点には留意しておきましょう。

■方法その2「自営業者になる」
こちらも厚生年金から外れるため、減額を気にせず働くことが出来ます。

■方法その3「教員になる」
「今さら教員免許を取るのですか…」と思われる方もいるでしょうが、盲点なのは「私学の教員」です。私立学校の教職員は「私立共済」という、厚生年金とは違う年金に加入しているため、上記と同様、厚生年金から外れるため減額の対象外です。

国の「働いて収入があるなら年金も必要ないでしょ?」という理屈は分かります。しかしその理屈のために働く意欲を失うようでは、60歳~65歳の5年間をブラブラしながら生活しなければいけません。したがって上記の抜け道も参考に、「減額されない」、あるいは「減額幅を最小限に」をキーワードに働き方を工夫しましょう!