悪い面も反対から見れば長所です

夫婦間で問題が起きたときには、往往にして「相手のせい」にします。しかし、一方的に問題が生じることはそれほど多くはないものです。たとえば、夫の金づかいが荒いという場合。学生時代からクレジットを使って洋服などをポンポンと買う人だということは知っていたけれど、結婚すれば変えられると思っていた女性がいたとします。しかし、なかなか結婚しても夫の金づかいの荒さは変わりません。せっかく自分が節約をしても、夫が使ってしまうのでなかなか貯金ができずにいます。

妻は、何とか夫の姿勢を変えて、夫婦で倹約してはやくマイホームを手に入れたい、そのためにはどうしたらいいだろうか? 夫の悪いクセはどうしたら治るのだろうか?と考えます。果たしてそれは正しいのでしょうか?

夫は悪いと思っていないのでは?

夫の立場に立って考えてみましょう。借金をすることを悪いと思っているでしょうか?学生時代から良い服を買うためには投資をおしまなかった人です。「男は無理してでもいい服を着なければならない」と考えているかも知れません。「若いうちは給料が安いのだから、生活が厳しいのは仕方がない」と思っていたり、「いずれ出世すれば家くらいは簡単に買えるようになる」と思っていたりするかもしれません。

夫が借金を悪いことだと思っていないのに、妻がそれを「直す」ことは不可能です。それなのに、直そうとすればストレスがかかるのは当たり前。金銭感覚は育ってきた環境と大きく関係しています。親の金の使い方を見て学んできたことを実践することが多く、なかなか変えられないものです。「金づかいが荒い」というのは、一種の性格であり、個性でもあります。夫の人格を形成する一部だと考えれば、それを矯正することは難しいばかりか、性格そのものが変わってしまう可能性すらあります。果たしてそれでいいのでしょうか?

結婚前はそれがいいと思っていたはずです

妻の方は結婚前から夫の金づかいが荒いことを知っていたのであれば、そのおかげで良い面があったことも知っているはずです。ブランド物のスーツに身を包んでいる姿をカッコいいと感じたり、オシャレな店に連れていかれて美味しい食事をごちそうになったり。クリスマスや誕生日には、高価なサプライズプレゼントをしてもらい大喜びしたこともあったでしょう。それらはすべて、夫の金づかいの荒さが与えてくれた喜びです。

人づきあいがよく毎日飲み歩くのも魅力だったかも知れませんし、気前よく後輩におごる姿がカッコいいと見えたこともあるかも知れません。かつて「ステキ」に思えた部分が、「金づかいの荒さ」に起因しているのだとすれば、もし、それを矯正すれば性格も変わります。流行おくれのスーツを着て、後輩と飲んでもワリカン、人にプレゼントをすることもない。そのように変わった夫をステキだと感じるでしょうか?

夫を変えようとすることは、とても難しいことです。1か所の気に入らない点を修正しようとすれば、大きく性格が変わってしまうこともあります。そのために、愛情がなくなることもあるのです。相手を変えることよりも、良い面を活かせる方法を考えた方が得策なことも多いもの。そうした工夫も大切です。